ジョン・ラッテンベリー「私が愛用する画材たち」
独特の繊細な表現を可能にする絵の具、キャンバス、そして絵筆
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自然の美しさをディテールまで余すところなく描き出すイマジネーションの画家、ラッテンベリー画伯。 どのような画材を、どのように用いることで、画伯はそのあふれる出るような感性を1枚の絵画へと昇華させているのでしょうか ![]() |
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特殊効果も求めて日本画用の画材も使用
私は、作品を思い描いた通りに仕上げて行くため、実に様々な種類の画材を用います。
描きはじめる際には、まずアクリル絵の具でベースの色を塗っていきます。あふれ出るイマジネーションを一気に表現していきたいので、私は油絵の具が乾くのを待ちきれず、より乾きの早いアクリル絵の具を愛用しています。
アクリル絵の具は色あせもしにくく、趣の子尾となる陰や質感を表現するにはとても使いやすいのです。
しかし速乾性なので、色の混合が難しく、使いこなせるようになるには高い技術が必要です。私自身かなりの練習と経験を重ねなければなりませんでした。
色を混ぜ合わせるときはパレットを使いますが、パレットにラップを敷いた上で混ぜ合わせると後片付けがとても楽になるんです。
パレットを使わず絵の具の容器からダイレクトに色を取って使うこともあります。
この他にも、乾きの遅いものやリキドタイプのもの、に地色の光沢のあるものなど、たくさんの絵の具を使っています。より特殊な効果、例えば独特の光沢や艶を作品に与えたいときは、日本画材のきらなども使います。
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@細かいところは極細筆で丹念に描いていく | A愛用のパレット | B仕上げのバニッシュ塗り用の筆 | Cより早く感想させたいときにはドライヤーで |
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D特殊効果を得るのに用いるペイント用カッター | E愛用の中太筆。小さいエリアの色塗りに用いる | F扇が他の筆。木々や水辺を描く際に用いる | G表現方法によっては日本画用の筆も |
画布鉛筆の一つひとつにもこだわりが
何に描くのかということでは、長年色々なものを試した結果、表面がスムーズなポートレート用のキャンバスが私にはベストであることがわかりました。仕上がりの表面がとても滑らかになるのです。
絵筆も、極細のものから幅の広いもの、さらには日本画用のものまで、多種多様に使用しています。はじめに大きめの筆で背景から描いていき、手前になるにしたがって細い筆を用いて、木の枝などの細かく繊細な部分を描き込んでいくのです。
また、色をキャンバスに広げるときや、いていの効果を出したいときには、ペイントナイフやカッターなどを用いることもあります。
これで表面を保護すると同時に、均一な」つやをかけることができます。
このように最適な画材を使い分けて作品つくりに望むのは当然のことですが、作品に独特の趣を与えるためには、さらに奥深いテクニックが必要です。でもそれについては「秘密」と言うことにしておきましょう。
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@陽で照らされた部分を日本画用の筆を用い、日本顔料の金色で描いていく。 | A絵の具が乾く前に、日本画用のハケで色をなじませていく。 |