ニッサン・インゲルに影響を与えた環境

故郷イスラエル

ニッサン・インゲル画伯の故郷イスラエルは、地中海東岸に位置し、北はレバノン、東はシリアとヨルダン、南西はエジプトに接している国土面積20325u、人口役538万人の国である。
紀元2世紀にローマ帝国に祖国を終われてから、役1800年を経て1948年に国土を再建したが、その間住んでいたパレスチナ人との政治問題は、まだ解決の糸口を模索している。
エルサレムの旧市街は、世界三大宗教であるユダヤ教・キリスト教・イスラム教第三の聖地である「岩のドーム」に隣接するユダヤ教の聖地「嘆きの壁」、キリストが弟子を連れて説教したとされる「オリーブ山」や聖母マリアがこの地の馬小屋で、イエスを生んだとされる洞窟「ベツレヘム聖誕教会」など宗教的、歴史的な建造物が数多く点在する。

イスラエル

古くから文明が栄え、人類の歴史や文化に大きな影響を持っている重要な地であるが故に思想や宗教、政治的対立を繰り返し、その存在は人類の未来にとって教訓的な聖地と呼ばれるのかも知れない。画伯はその波乱の中で、駆り立てられるように愛と調和の表現をはじめる。

画伯が生まれた街ハイファは、地中海に突き出した独特な地形をしている。また、エルサレム、テルアビブジャファに続く、イスラエルの三大都市で、人口は焼く30万人。背後のカルメル山地に市街地が広がる風景画美しい港町である。
インゲル画伯が生まれた1930年代頃は国際的な政治問題から、イスラエル建国を目指した多くのユダヤ教の民が訪れた。その海の表玄関としてハイファは栄えた街でもある。故郷イスラエルからフランスへ21歳の時に移住したインゲル画伯は、フランスで活動の後ニューヨークに10年間移住する。その間、ヨーロッパやアメリカ各国で個展を開き、さらに世界各国を度しながら様々なインスピレーションを吸収していった。自らの体内を流れる民族の血に誇りと感謝を忘れることなく、他国の歴史や文化を学びながら、芸術を通して出会う人々の心と心の交流を深めてゆく。

サイドストーリー 〜ニッサン・インゲルに影響を与えた環境〜